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お題「幕」「セミ」「叩く」

うん。

全く良いのが浮かばなかった。

流れぐだぐだか?

どうぞ。
とある暑い暑い夏の日のことだ。

蝉時雨の中、1人の犯罪者の公開処刑が行われた。

それは一風変わった形式で行われた。

簡単に言えば、腕利きの男たちが処刑される犯罪者と戦う、というものだ。

いわば、見世物である。


犯罪者を殺せば、挑戦者の勝ち。

勝てば、一定の額の賞金が出される。

ただ挑戦者は負ければ無論、命を落とす。


そんな人と人との殺し合いを見世物として実施することになったのだ。

普通なら、そんな非道なことをしては世論が黙っていない。

しかも、ここは世界有数の平和な場所として知られている。

けれど、ここでは何もかもが狂っていたのかもしれない。

平和は人を狂わせる。




彼らは平和過ぎる生活に一粒の刺激を欲していたのだ。




さて、犯罪者も文字通り狂っていた。

彼はいわゆる殺人鬼であり、何人もの人を殺めた。

公開処刑の日も、挑戦者を8人ほど殺した。

そこまでいくと、誰も名乗りを上げようとしない。

このままでは死刑執行ができないと、警察の方が騒ぎ始めたときだった。


「僕がやってもいいですか?」


という声がした。

それは年端もいかない少年だった。

誰もが苦笑いを浮かべ、やめとけ、と口々に言った。

けれど少年は引かない。

にやりと笑みを浮べて、

「それでは僕が買ったら賞金を2倍いただけませんか?」

と告げた。

それが民衆の興奮を煽った。

かくして、犯罪者と少年の戦いが幕を開けた。




「おいおい、次はこんなガキが相手かよ? やんなるぜ。全く。おいガキ。死んでも文句言うなよ? ここに立っている時点でお前は俺に殺される運命なんだよ。いいか、できるだけ惨たらしく命乞いしてくれよ。あっさりしなれても面白くないしな。ええ? 聞いてるのか?」

「聞いていますよ。決してつまらない試合にはしません」

「おうおうおう。言ってくれるじゃないの!? お前はガキだが、これまでの奴らとはちょっとは違うのか? 口先だけってのはやめろよ? お前のその整った顔が苦痛にゆがみ、腕や足が曲がらない方向に曲がり、そして内臓が――っ! ああっ! 想像しただけで興奮してくるぜ。やべぇ、やべぇよ! さぁやろう!」

「はい」

少年は律儀にも頭を下げ、その隙を狙った犯罪者が、

「死ね! ガキがぁ!!」

と腕を振り上げた瞬間だった。



ぴたりと声がやみ、乾いた音が響いた。



特に何もおかしなことはしていない。

少年はただ犯罪者の頬を叩いたのだ。

たったそれだけ。

たったそれだけのことで犯罪者は吹っ飛んだ。

「おいおいおい。何、これ? わけわかんなくね? なんで俺が地面に横たわっているわけ? あのガキ、俺に何しやがった? おかしくね? ええ?! これおかしくねぇ!!」

立ち上がって飛び掛ってきた犯罪者をまたも少年は引っ叩く。

それも優雅な笑顔のおまけつきで。

少年は犯罪者を立ち上がれないくらいにぼこぼこにすると、

「どうします? ここでとどめをさして見せても良いですか?」

と訊ねた。

見るも無残な犯罪者の姿を見て、民衆たちもようやく正気にもどったらしい。

何が公開処刑だ。

よく考えればおかしい。

そう口々に言い出し、処刑場から1人、また1人と姿を消していった。

「では、賞金をいただきましょう。とどめは後でさしておきます」










「なかなかの演技だったろ?」

「吹っ飛びすぎですよ。バカ共の僕を見る目には恐怖しか映ってませんでしたよ」

「そういうなよ。たっぷり金も入ったし、さっさと次の町へ行こうぜ」

「もう、あまり人を殺さないでくださいよ。後片付けが大変なんですから」

「うるせぇな。悪かったよ」

「まぁ良いです。じゃあ行きましょう」

「おう」

黒幕である少年と、犯罪者の2人は賞金を手にふらりと姿を消した。



こうして、狂った国で起きた一連の公開処刑事件は幕を下ろしたのだった。



完。


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2009.02.24 Tue l 三題噺 l COM(0) TB(0) l top ▲

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