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お題「羊」「巫女」「電撃」


あー久々に50分いっぱい使ったな。

しかし、今回のはひどいな。

起承転結の転と結がない。

このお題ならもっと良いのできただろう。

はぁ。

どうぞ。
電気を消すと、真っ暗になった。

小さいときは暗闇が怖くて、薄ぼんやりとした灯りをつけていたものだが、

さすがに高校生にもなって、そんな怯え方はしない。

むしろ、暗い方が良いくらいだ。

神谷はそう思いながら眠りに着いた。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「んん?」

目を覚ますと、という表現はおかしい。

彼は夢の中で目を覚ますと、異様な違和感を覚えた。

「なんだ、これ?」

夢だから。

といえば一言で済むのだろうが、そこにはなんとも淋しい町並みが広がっていた。

人っ子ひとりいない。

いるのは自分だけ。

「夢にしても、もっとましなのがあるだろ」

そうぼやきながら町を散策していると、奇妙なものに出会った。

「んん?」

なんといえば良いのだろうか。

虫?

とも違う。

あのサイズでは虫ではない。

しかし、気持ち悪さは天下一品であった。

「おいおい」

しかも、そいつはいきなり神谷に攻撃を加えたのだ。

彼はそれを横に飛んで避けるが、奴の攻撃はやまない。

「ちょ、待った!」

これは避けれない。

そう思った神谷が目を閉じると、激しい雷鳴が聞こえた。

「大丈夫ですか?」

「……はい?」

神谷が目をあけると、そこにひとりの少女が立っていた。

少女といっても、神谷と同年代くらいかもしれない。

彼女は、いわゆる巫女装束を着て彼の前に立ちはだかっていたのだ。

「えーっと」

みると、彼女は目の前の“虫”を倒したらしかった。

「なんか助かりました。ありがとうございます」

「いえいえ。これが私の仕事ですから」

彼女はそう言ってにこりと笑った。

「仕事?」

「はい。私は……まぁ、こんな格好ですし、“巫女”とでも呼んでください」

「はぁ」

巫女は倒した“虫”に手を触れ、なにやら呪文めいたことを唱えた。

すると、その虫はあとかたもなく消えさったのである。

「すごいですね」

「そうですか? ん~、私は巫女なのでこれくらいはできます」

「……そういうものですか」

「そういうものです」

「えーっと、いくつか聞きたいことが」

「どうぞ」

虫の件がひと段落し、落ち着きを取り戻した神谷が現状について問う。

「これは、俺の夢ですよね?」

「はい」

「じゃあ、いずれ醒めるんですね?」

「いえ、それは何ともいえません」

「どういうことですか?」

「最近、人を夢の世界に閉じ込める霊とでも呼ぶべき存在が問題視されています」

「はぁ」

「あなたはそれによって、夢の世界に閉じ込められてしまいました」

「はぁ」

電波だな。

神谷はそう結論付けると、そのうち目を覚ますだろうと思い、その場を去ろうとする。

「ちょっと待ってください」

「はい?」

「信じてないですね?」

「ないです」

「どうしてですか?」

「いや、どうして、というか、だってこれ夢なんですよね?」

「そうです」

「ん~、あなたの存在自体が夢っていう可能性もありますよね?」

「そうです」

「そうなると、信じる信じない以前の問題の気がするんですけれど」

「そうですか。分かりました。それでは、あなたはずーっと夢の中にいればよいです」

「はい?」

「では」

そう言って先にすたすたと歩いていった巫女を追いかけることもせず、神谷はため息をついた。

「ふてくされた、か? やっぱ見た目どおりのガキなのかな」

神谷はそう結論付けると、再び町の散策を開始した。

そして、すぐに例の“虫”と遭遇する。

「何匹いるんだ、これ」

彼は瞬間的に逃げ出した。

戦って勝てるはずなどない。

あー、変な夢だよ。

自分が見ている夢なので、文句を言う相手もおらず神谷はただ諦めに似た気持ちで駆けていく。

が、思いのほか“虫”の動きは早く。

神谷はあっという間に追い詰められる。

「これ、ループだな。展開的には、あの巫女がくるんじゃないの?」

果たして、結果として雷鳴が轟き、先ほど見たのと同じ光景が神谷の前に広がった。

どうやら巫女は手のひらから電撃を発することができるらしい。

「それ、どういうしくみになってんの?」

「……私は巫女なので」

「ふ~ん」

先ほど、急にふとくされて去っていた手前、体裁が悪いのか巫女はもじもじとしている。

「で、どうすれば起きれるわけ?」

「はい?」

「俺は夢の中に閉じ込められたんだろう」

「……はい!」

無邪気に笑う巫女を余所に、神谷は歳の離れた妹をあやす兄の気持ちになった。

付き合ってやろう。

また機嫌を損なわれたら厄介だ。

という感じだろう。

「この“虫”は通称、“夢虫”と言います。あんまり説明するのは嫌なんですが、夢の中にいて、夢を見ている人を夢中にさせる虫、というのが定義です」

「駄洒落ですね」

「いわないでください」

「それで? こいつらを倒せばよいの?」

「いえ。これは倒しても倒してもキリがないんです。核を倒さないと意味がありません」

「その核っていうのは?」

「あれです」

巫女が指差す先。

そこには高層ビルがあり、その屋上に何か丸いものが見える。

「なんだありゃ」

「羊です」

「ひ?」

「羊です」

「ほお。もしかして、あれが核?」

「はい」

「え? 羊の数を数えたらなんとか、っていう安易な理由から羊が核なんじゃないよね?」

「……さて、それで肝心のあれを倒す方法ですが」

「おい」

「私は確かに電撃を使って“虫”を倒すことができます。けれど、羊を倒すのは本人の仕事です」

「っつてもな、俺ただの高校生だぜ?」

「知っています」

巫女は頷くと、神谷の額に手を触れ何かをつぶやいた。

「……で?」

「これで、あなたに力が授かりました」

「そんなこともできるのか」

「私は巫女なので」

「それで何でも片付くと思うなよ」

「……これは夢なので」

「夢っつったな」

「あくまで、ここはあなたの夢の中ですので。そこから出れるか出れないかの違いです」

「ふ~ん。まぁ良いや。何ができるの?」

「はい。何か武器のようなものを強く念じてみてください。最初に出てきたものが、あなたの武器になります」

「武器? つまり、刀とか銃とか、そういう類のもの?」

「はい」

「よし」

神谷は目を閉じ、想像する。

昔やったRPGで、これ格好いいと思った剣を。

これは夢だ。

ならば格好つけないと損だ。

果たして、大きな剣が神谷の前に現れ、彼はその重さにひれ伏した。

「重いんだが」

「あのですね。人には分相応というのがありまして……」

「年下に説教される日がくるとは」

「しかし、変更はききませんので、それで頑張ってください」

「無責任すぎるだろ。というか、これ俺の夢なら、もっと思い通りにしてくれよ」

「思い通りのものがでてきたじゃないですか」

「持てなきゃ意味ねぇよ。何とかしてくれよ、巫女だろ」

「巫女ですが、できることとできないことがあります。先ほどもいいましたが人には分相応の……」

「分かった。もう良い。とりあえず、あの羊をここにおびき寄せてくれよ」

「それくらいならお安い御用です」

巫女は空高く飛び上がると、例のビルの屋上へと向かった。

「おいおい。空飛べるのかよ」

「私は巫女なので」

という返事が聞こえた気がした。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「で? こんな無抵抗な羊を倒せっていうの?」

「はい。これはあなたの核でもあります。あなたは無抵抗な人種ということですね」

「少し傷つく」

「では、どうぞ」

「あいよ」

不思議なことに、その羊を前にすると先ほどまで重くて全然もてなかった剣が容易に持ち上がった。

「あれ? 持てるぞ?」

そんなことを思いながら神谷は剣を振り下ろした。

それは羊を切り裂き、そして――。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「目を覚ます、と」

神谷はむくりと起き上がり、そして絶句した。

「おはようございます」

「何してんの?」

「はい。今日からお世話になります」

「意味が分からない」

「あなた。急にあの重い剣を持ち上げましたよね?」

「はぁ、そうだな」

「あれは、あなたが夢の中で自分の力を自由にコントロールできるようになった、ということなんです」

「んん?」

「分からないなら良いです」

「バカにしてんのか」

「つまり、あなたは夢の中では強い力を持つことができるようになった、ということです」

「初めからそう言え」

「そういうわけで、協力してください」

巫女はぺこりと頭を下げ、対する神谷はきょとんとするしかない。

「協力って?」

「他にも夢に閉じ込められた人がたくさんいるんです。私と一緒に戦ってください」

「意味わかんねぇ。だって、核を倒すのは本人じゃなきゃだめとか」

「はい。そっちじゃなくて虫の方です」

「だって、それだとお前が簡単に倒せてたじゃん」

「今回は、です。最近はこっちも人材不足で大変なんです」

「微妙にリアルな話をするなよ」

「だいたい私はあなたのために2回も虫を倒したんです。それくらいの恩返しはしてください」

「……う」

言葉に詰まった神谷は、しぶしぶ頷いた。

そして、気にかかったことを口にする。

「と、いうか、お前はどうやって夢と現実を行き来してるんだ? 俺にもできるのか?」

「そこは全部私に任せてください」

自信たっぷりの巫女は、神谷に向かって不敵に笑い、口を開いた。





「私は巫女なので」



完。



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2009.02.19 Thu l 三題噺 l COM(0) TB(0) l top ▲

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