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お題「橋」「ライオン」「占い師」


本日はゼミの追いコンにつき、こんな時間に更新。

だから、お酒強くないんだって。

頭がんがんする。

どうぞ。
「そこのお前さん」

仕事帰り。

やや薄暗い空の下、家までの道のりを歩いていると唐突に声をかけられた。

「ん? 俺か?」

「そうさ」

「何か用か、婆さん」

俺に話しかけてきたのは路肩で占い師をやっている婆さんだった。

この婆さん、なかなかあたることで評判らしい。

近くの中学校や高校の生徒たちには人気だと聞いたことがある。

「お前さんに、ひとつだけ忠告をしておくよ」

「忠告?」

「ああ。いいかい? これから先のことだ。次の午前0時まで、お前さんの想像はことごとく外れる。余計なことは考えないことだ」

「あ? どういうことだ?」

「それ以上は、追加料金じゃな」

笑みすら浮べずにそう言う婆さんの代わりに、こっちが笑ってやった。

「意地汚ぇ婆さんだな。まぁいいや。要は今日が終わるまでは変な期待すんなってことだな? ありがとうよ」

「気をつけなよ」

「ん? 大丈夫だって。妙な事件に巻き込まれて死んでしまうぞ、とか言われたらさすがにビビるけど、そうじゃないんだろ? 想像が外れるとかいう曖昧な程度じゃあ――」

瞬間、足場が崩れた錯覚に見舞われた。

落ちる。落ちる――。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



目覚めると、そこは随分とへんてこな場所だった。

目の前には二本の橋。

それから看板。

「なんだ、これ」

そこにはこう書かれていた。



一本は、何もない場所。

一本は、肉に飢えたライオンたちの巣窟。



それを読んで、とりあえず俺はため息をついた。

つまり、これはあれか。

妙な事件に巻き込まれうんぬんなんて考えたから、それが起こっちまったってことか?

俺はなんて言ったっけ?



死んじまうなんてことはないんだろ?



か。

ということは、俺は死ぬのか。

いや、待て。

たかが占いだろ。

全部が一致するなら、そりゃ予言という代物に近くなる。

これは妙な事件に巻き込まれた、までが当たりのはずだ。

そうだ。

待て待て。

余計なことは考えない方が良いぞ。

それにしてもライオンか……。

もし、そっちを選べば俺はこいつらに食われちまうんだろうな。

くそっ。

面倒くさい。

つまりはあれだろ。

ライオンの方に行く自分を想像して、どっちの橋を選べばそうなるかまで空想すればよいんだ。

んん。



瞼の裏に、俺がライオンに食いちぎられる光景が浮かんだ。



気分悪い。

とりあえず左を選べば、そうなると出た。

と、いうことは、だ。

俺の想像は外れるわけだから、このまま左に行けば良い。

よし。

俺はそう思って、左の橋を選んだのだった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



で、これだよ。

だから、所詮占いだって言ったんだ。

結果として、俺はライオンたちのど真ん中に放り出された。

「死んだな、こりゃ」

それが最期の一言になろうかという勢いでライオンが飛び掛ってくる。

そして――。




気がつくと、俺は再び路上に立っていた。

「んん?」

白昼夢でも見ていたかのような錯覚。

慌てて婆さんの姿を捜すが、そこには既にいない。

なんだ、これ。

果たして俺は、とあることに思い当たった。





そうか、俺はライオンに食われて死ぬ、と想像したから、そっちが外れたんだな。



完。


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2009.02.17 Tue l 三題噺 l COM(0) TB(0) l top ▲

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