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お題「戸(扉)」「狼」「肉」



すみません。

時間がなくなったので、後半の数行はなんとか終わらせるために無理やりつなげた感が出まくってます。

というのも、30分くらい書いたところで、書き直しを……。

なんて言い訳。

本当はその30分でさらっと完成させる予定だったのに。

あ、あと。

読んでいただければ分かりますが、

賽の河原とか地獄とかは記憶と知識が曖昧なので、概念に違いがあるかもしれません。

宗教的に何か問題があれば、この作品は抹消しますので。

それから、あまりにも不本意なので、多分これは後日書き直します。



さて、前置きが長くなりましたが、タイトルは、

「うそつき」

では、どうぞ。
「お前は、俗世では狼少年も真っ青なうそつき野郎だったらしいな」

だからなんだよ。

「うそをつくというのは、とても浅はかな行為だ」

うるせぇよ。

「まぁ、大丈夫だとは思うが、もしかするとお前は地獄へ行くことになるかもしれんな」

へいへい。



案内人という天使とそんな会話をしている間に薄暗い扉が開いていく。

目の前には光が差し込んでくるわけでもなく、ただ暗闇が続いているだけだ。

「進め」

門番らしき奴が俺の背を押し、俺はしぶしぶ歩き出した。

天使は門前で止まり、俺に手を振る。

地獄、か……。





そこは、つまり三途の川というやつだった。

向こう側に何かが見える。

んん? あれが地獄か、はたまた天国か?

なんて観光地にでも来たようにきょろきょろしていると、いきなり金棒でぶんなぐられた。

「痛ぇな」

「うるさい。死者が、馴れ馴れしく口を聞くな」

「ああ!?」

もう一発、殴られた。

頭から血がだらだらと垂れるが痛くは無い。

どうやら死者は痛みを感じないらしい。

俺を殴った“鬼”は感情のない瞳でこちらをじっと見ていた。

「さっさとしろ。後ろがつかえている」

「へいへい」

俺は返事をしながら、三途の川を渡る船に向かって歩を進めた。

なるほど。

ここでは、様々な方法で川を渡るらしい。

船に乗れず、歩いて渡っているやつもいる。

死者にもランクがあるらしい。

俺は、ただの“うそつき野郎”だ。

船で渡るという権利は、何とか得ているようだ。

そして、それら全ての死者を観察するように点在しているのが、こいつら鬼ってわけだ。

金棒を振り回して、自由気ままにやってやがる。

「おい、早くしろ」

「へいへい」

急かされたが、俺は別に歩を早めるでもなくたらたらと歩いていた。

だって、だるいじゃん。

死んでまで時間に追われるとか、バカかってんだ。

「お?」

と、俺はこの場で一際奇妙な場所を見つけて足を止めた。

「止まるな」

3発目。

俺の腹部に金棒がめり込んだ。

痛くはないが、息ができねぇ。

「……が、はっ」

「余所見をするな」

鬼は俺の襟首を掴み、ずるずると引っ張っていく。

途中、なんとか呼吸を整えながら俺は鬼に訊ねた。

「なぁ、おい」

「喋るな」

「いいじゃねぇか。固いこと言うなよ」

それに返事は無い。

無視らしい。

「なぁ、あそこの一角。あれ、なんだ。ガキばっか集めて何やってんだ」

そう。

俺が見つけた奇妙な場所は、ガキばっかが集まっているという奇妙な場所だったのだ。



ただただ石を積み上げているガキどもが集まっている。



「ありゃあ、賽の河原だ」

「サイノカワラ? なんだそりゃ」

「親より先に死んだガキどもがいるところだ」

「へぇ。で、何やってんだ?」

「石を積んでるんだよ」

「見れば分かる」

「石を積み終えれば親の供養になる、と教えられてあいつらは石を積んでいる」

「ほぉ。なるほど」

と、俺の見ている前で、もう少しで完成というところまで積み終えた石の山が鬼の手によって崩された。

「……おいおい。なんだあれ」

「気にするな。いつものことだ」

「何でだよ、おかしいだろ、あれ」

「うるさい。いいか。あいつらが決して石を積み終えることはない」

「は?」

「黙って歩け。あいつらと関わると厄介だ。あそこの鬼は一際狂っている」

別に正義感が湧いたわけではなかった。

だけど、それは間違っていると頭のどこかが訴える。

「おい。こら――」

鬼が地面を強く踏んで動きを止めた俺に向かって金棒を振り上げる。

が、それには当たらない。

「あいつらの方が、よっぽどうそつきじゃねぇか」

俺は走り出した。

船には向かわず、サイノカワラへ向かう。

そこにいた鬼どもが俺に気づき、飛び掛ってくる。

「ふざけんなぁ!」

俺の腕は届かず、奴らの金棒が身体中にぶつかる。

そりゃ当然だ。

リーチが違う。

血が噴出し、腕が変な方向に曲がった。

だから、どうした。

痛くはねぇんだから、こっちのもんだ。

肉を切らせて骨を断つ。

俺は力の限りに1体の鬼目掛けてつっこみ、そいつともども倒れこんだ。

そして、そいつが落とした金棒を掴むと、ところ構わずそれを振り回す。

「どうせ地獄に行くなら、こっちの方がすっきりするぜ!」

ジャストミート!(注1)

鬼を数体ふっ飛ばしたところで、例の俺を船まで案内してくれていた鬼につかまれた。

「やりすぎだ。これでは言い訳もできん。お前は、ただのうそつき野郎だが、この時点で地獄行きが決まったかもしれん」

「うっせぇよ」

そして気づいた。

ガキどもは、俺を怯える目で見つめているじゃねぇか。

怯えさせてどうする。

俺は、こいつらを助けてやりたかったはずだ。

ああ。やっぱり慣れないことはするもんじゃないな。

ガキどもを殴ってた鬼は、ほぼ全て片付けたし、幾らかはこいつらの痛みも緩和されただろう。

と自己満足にもそう思ったから、俺はこいつらに向かって叫んだ。

「じゃあな、ガキども。地獄に落ちやがれ!」

ってな。







さて、いよいよ審判の時だ。

閻魔(様をつける気にはならねぇ)の奴が口を開く。

「もし、貴様が地獄で数多の苦しみを乗り越えることができれば、賽の河原の子どもは救ってやる」

いったい、こいつは何を言ってやがるんだと思ったね。

「貴様に選ばえせてやる。狼少年よ。貴様の罪は、たかがうそつきということだけだ。良いか? では、問おう。貴様は天国に行きたいか、それとも地獄に行きたいか」


そう問われて、答えなんてひとつしかない。


「ガキどもなんて助けたくない。天国に行きたいよ、俺は」


それで充分だ。















かくして、俺は“望み通り”地獄に来たわけだ。

閻魔に嘘が通じるわけがねぇもんな。

ほら、見渡してみろ。

血の池地獄に極寒地獄、焦熱地獄。

聞いたことあるとうな地獄だらけだ。

ああ。あれが針の山か。

痛いんだろうな。苦しいんだろうな。





……でも、まぁ良いや。


完。


注1:もちろん、ミートはmeat(肉)にかけています。


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2009.01.30 Fri l 三題噺 l COM(0) TB(0) l top ▲

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